はい、どうもー。投資の小学生です。
今回は米国預託証券(ADR)についての解説になります。以下のような方が対象となる記事となっています。
- 米国預託証券とは何か知りたい方
- 高配当株投資を行なっている方
- 配当金の節税について知りたい方
米国預託証券(ADR)というものを知るとより高配当株投資での銘柄選定の幅が広がると思います。
ぜひ参考にしてください。それでは早速解説していきます。
米国預託証券(ADR)とは何か?
米国預託証券(ADR:American Depositary Receipt)とは、米国以外の株式市場において売買されている株式が現地規制等により直接購入できない場合に、米国の銀行などが現地の株を代わりに買い付けた上で、その預かり証(預託証券)を米国で発行し、米国マーケットにて上場させたものです。

これによって投資家は上場させた預託証券をマーケットから買い付けることで実質的な株主となります。
米国預託証券(ADR)のメリット・デメリット
それではその米国預託証券(ADR)のメリット・デメリットとはどんなものがあるでしょうか?
配当金への課税額が国によって異なる
米国預託証券(ADR)は先程の解説の通り、米国で(米ドルで)買い付け可能な他国の株式になります。
そのため買い付けたADR銘柄についての税金に関しては米国の税制に準じるものではなくなります。
このことからメリット・デメリットとしては買い付けたADR銘柄がどこの国の企業のものかによっては課税額が減ることもあれば、増えることもあります。
高配当株投資家にとっては、配当金に対して税金が一切かからない国・ADR銘柄があるという部分がとても大きなところではないでしょうか?
通常の米国株の配当金に対する課税は
- 米国にて配当金に10%の源泉税
- その後日本にて再度20%の源泉税(米国で10%徴収された後の残りの90%分に対して20%)
と二重に課税されます。
これがNISA口座で源泉税0%のADR銘柄を運用した場合
- 米国預託証券(ADR)のためにて配当金に10%の源泉税課税なし
- その後NISA口座のため日本での20%の源泉税も課税なし
と配当に対しての源泉税が全て非課税にて運用が可能となるわけです。
米国株式市場への上場審査を通っている
米国株式市場への上場審査が通っているため預託証券が売買できます。
逆にいうと様々な外国企業という面からその信用度については通常まちまちな部分はありますが、上場審査を通っている企業というところからは米国基準の上場に値する信用があるということが保証されています。
配当税(源泉税)が非課税の国と米国より課税額が多い国
では高配当株投資家にオススメの国、すなわち配当税(源泉税)が非課税の国の例は2021年5月時点で以下になります。
- イギリス
- インド
- オーストラリア
- ブラジル
- シンガポール
逆に米国の10%より配当税(源泉税)が掛かる国もあります。例として以下になります。
- スイス
- アイルランド
- オランダ
- カナダ
- ベルギー
- メキシコ
配当金目的での株式運用を行う場合は上記のような国のADR銘柄はよっぽどトータル利回りが良くない限りは避けておいた方が良いかもしれません。
配当税(源泉税)が非課税の米国預託証券(ADR)銘柄一覧
では実際に高配当株投資家にとって魅力的な配当利回りの源泉税非課税の銘柄にはどういったものがあるのかイギリスのADRについて一覧で示したいと思います。
ここでは私がメインで利用している証券会社であるSBI証券で取り扱っている米国預託証券(ADR)銘柄にて示します。
ティッカー | 銘柄(英語) | 事業内容 | 配当利回り |
MFGP | Micro Focus International マクロフォーカス インターナショナル | 英国でソフトウェアの開発、製造、販売、保守を手掛ける会社 | 10.56% |
BTI | British American Tobacco ブリティッシュ アメリカン タバコ | 英国のたばこ企業グループ持株会社 | 7.55% |
NGG | National Grid ナショナル グリッド | 英国でガスの供給を手がける公益事業会社 | 6.75% |
VOD | Vodafone Group ボーダフォン グループ | 英国の音声・データ通信をはじめとする移動通信サービス会社 | 6.02% |
GSK | GlaxoSmithKlein グラクソ スミス クライン | 英国の総合製薬会社最大手 | 5.62% |
RIO | Rio Tinto リオ ティント | 英国、豪州を拠点とする国際鉱山会社 | 5.47% |
BBL | BHP Group Plc BHPグループ | 鉱物資源の探査、生産を行うイギリスの鉱業会社 | 5.26% |
BP | BP BP | 英国に本社を置く石油メジャー | 4.79% |
RDSB | Royal Dutch Shell B ロイヤル ダッチ シェル B | 原油の探査、採掘、生産、精製を手掛ける多国籍企業 | 3.56% |
UL | Unilever ユニリーバ | 英国の消費者向けブランド品、パッケージ品のメーカー | 3.27% |
AZN | Astrazeneca アストラゼネカ | 英国の総合製薬会社 | 2.48% |
HSBC | HSBC Holdings HSBC ホールディングス | ロンドンに本店を置く世界的総合金融グループ | 2.38% |
PSO | Pearson ピアソン | 教育事業とメディア事業の子会社を傘下に持つ英国の持株会社 | 2.22% |
DEO | Diageo ディアジオ | 英国の高級アルコール飲料メーカー | 1.93% |
SNN | Smith & Nephew スミス アンド ネヒュー | イギリスの先端医療機器メーカー | 1.71% |
NWG | Natwest Group PLC ナットウェスト・グループ | 英国の大手金融グループ | 1.45% |
PUK | Prudential プルデンシャル | イギリスに本社を置く保険会社 | 0.76% |
BCS | Barclays バークレイズ | 英国の大手金融グループ | 0.55% |
AMRN | Amarin Corporation plc アマリン | アイルランド籍のバイオ製薬会社 | 0% |
AUTL | Autolus Therapeutics plc アウトロス セラピューティクス | イギリスのバイオ医薬品会社 | 0% |
CUK | Carnival plc カーニバル | 100隻以上船舶を保有する世界最大のクルーズ会社 | 0% |
DAVA | Endava plc エンドバ | 企業向けアプリケーションサービスなどを提供するイギリスのテクノロジーソリューション会社 | 0% |
IHG | InterContinental Hotels Group インターコンチネンタル ホテルズ グループ | イギリスに本社を置くホテル運営会社 | 0% |
※配当利回りは2021年5月28日時点のYahoo Finance調べ
まとめ
今回は「米国預託証券(ADR)」についてざっくりとした解説をしました。
高配当株投資家にとっては配当金への課税について回避する方法として
- NISA等で日本で非課税にする
- 外国税額控除によって、所得税の一部を取り戻す
- ADRによってそもそも配当(源泉)税を非課税にする
くらいだと思うので、積極的に活用していきたいものですね。
今回はここまで。次回以降もよろしくお願いします。コメントやTwitterのフォローもよろしくお願いします。
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